
エイダ・ラブレス 出典:Science Museum Group
世界初のプログラマー:エイダ・ラブレス
1815年 誕生
厳格な数学教育を受ける
19歳 結婚、後に3人の子供を授かる
25歳 チャールズ・バベッジ「解析機関」の研究開発
→「バベッジの階差機関」

バベッジの階差機関 出典:SCIENCE MUSEUM GROUP
CPUやランダム・アクセス・メモリーといった現代のコンピュータの構成要素の概念が内包されている
「どうしてもあなたとお話がしたいです。何についてなのか、ヒントを差し上げましょう。あなたなら将来いつか、私の頭脳をご自分の目的と計画の道具にするかもしれないと思うのです。もしそうなら、私の頭脳はあなたのものです。」
バベッジ(バベッド)とエイダは師弟のような関係となり、二人三脚で「解析機関」の研究にまい進する。
バベッド:基本命令セット作成
エイダ:注釈の作成、ベルヌーイ数の数列を計算するプログラムなどを記述

エイダが”note G”に記したダイアグラム 出典:Wikipedia
「この機関の仕事が計算結果を数字表記で出すことなので、本質は代数や分析だと思っている人が多いが、それは間違っている。この機関は数字で表された量を、まるで文字などの一般的な符号であるかのように、配列して組み合わせることができる」
「例えば、和声学や楽曲における音の高低の基本的関係が、そのような表現や調整の影響を受けているとすれば、この解析機関は精巧に、そして科学的に、複雑さや広がりを持った音楽を奏でるかもしれない。」
<飛躍的創造性を生み出すのは「余白」である>
「Where Good Ideas Come From: The Natural History of Innovation」の著者であるスティーブン・ジョンソンは、時代を跳躍したかのような発明が生まれる要素について「天才という説明にならない説明以外に、タイムトラベターに共通の要素があるとしたら、それは、彼らが表向きの専門分野の余白、あるいはまったく異なる領域の交点で、仕事をしていたことである」と言う。
1991年、ロンドン科学博物館はバベッジとエイダの功績を再評価し、原図をもとに「解析機関」を完成させた。曇りがちなケンシントンの空は、時折、「解析機関」に落日を差し込む。
今でもそこを訪れる人は絶えない。先行きの見えない、漠然とした閉塞感の中で創造性の手がかりを探るため、あるいは社会慣習による拘束を断ち切り、情熱と探求にその生涯を捧げたエイダ・ラブレスを讃えるため。
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