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【読書メモ】人を10分ひきつける話す力(齋藤孝)


要約

話す力をつけるには、「知」「情」「意」「体」が必要

「知」:知識、本を読む

「情」:相手の気持ちを読み取る感情

「意」:伝えようという意思

「体」:声の調子、顔の表情、ジェスチャー


1. ネタ主義(話す前の準備)

2. テーマ主義(話す内容の明確化)

3. ライブ主義(場の空気を読む)


話す力をつけるにはトレーニングが必要である。

→では、どうやってトレーニングするのか?それをこの本で紹介する。




第1章 「知情意体」を鍛える

良い話は、「意味の含有率」が高い

15秒の話に意味を込められるか

「他人と違うことを話そう」と思っているか

中心メッセージを最初に話す


人をひきつける話とは、「意味がある話」と「笑える話」

中心メッセージは何度でも繰り返す

「言い換え力」、たとえ話でイメージを喚起する

「つかみ」で注意を惹きつける

クイズ形式でテンポを作る

コツやネタを入れて、お得感を持たせる


「話す力」の基本は対話力だ

一対一の対話によってトレーニングを行う

知的対話ができるスパーリングパートナーを見つける

考えを深めるエッセイ・トレーニング(エッセイを書いて、その後エッセイを見ずに話をする)

知性、感情、意志の三つを「知情意」という。

知:本を読んで知識を身に着けること

情:聞いている人たちの雰囲気、感情を読み取る力

意:「これを伝えたいんだ」という強いメッセージ性

体:話す時の声の調子やジェスチャー、顔の表情

「話す力」を鍛えるとは、「知情意体」を身に着けることでもある


第2章 人をひきつけるための「ネタ」「テーマ」「ライブ感」

ネタ主義(話す前の準備)

意味のある話をネタとして用意する

ネタを図化して話す時のメモにする

聞き手の反応でネタを切り替える


テーマ主義(何を話すか)

仮定的な問いをタイトルにする「○○は……ではないか?」

最終着地点を明確にする

キャッチフレーズ化、格言化する

三つのキーワードを図化して構成する(キーワードを図化して、それを見ながら話す練習をしてから、その紙を伏せても話せるようになると、キーワードから外れることなく、それでいて自由に話すことができる)

一分間、自分の中で語りかける練習(内言)


ライブ主義(話す現場で何をやるか)

頭の中を二分割して話す(一方は話す内容、もう一方は次の話題を考える)

引用の力を借りる

相手を見て組み立てを考える

鮮度の高い新ネタをアドリブで入れる

「具体的な物」を示して話す

個人的な体験を五分の一、入れる

自分の本心を確かめるように話す


第3章 話すトレーニングの実際

<基本>

話しの面白さをチェックし合う

聞いた話を要約・再生してみる

自分の経験と絡めて話を聞く

「読む、書く」は話す力の訓練になる

録音して文字に起こす

抽象的なことを具体例で説明する


<応用>

「三分の一の法則」で発言する(発言したいことを3つ思いついたら、その中で一番良い内容を発言する)

会議にはネタを持って臨む

沈黙時間も考え続ける

短い時間で言い切る

「一人の時間」「二人の時間」「全体の時間」と区切る


話し上手に学ぶ

①永六輔 オチとアイデアで聞かせる話芸の極致

 お得感を演出する連続技


②古今亭志ん朝 論理的でなくても許される話し方(ですな)

 映像化しやすい表現で相手の経験に訴える


③キング牧師 繰り返されるキーメッセージ(I have a dream that...)

 明確で強いメッセージが聴衆の心を打つ


④小林秀雄 透徹した高い知性

 断言口調で多面的に定義する(「○○とは××である」と複数回繰り返す)


⑤宮崎駿 柔らかく厳しく迫る

 聞く人に発見の喜びを与える


あとがき

  1. 「話にどれだけ意味があるか」が話すことにおいては大事

  2. ライブ感が大事;その場の空気を感知して聞き手の反応をよく読んで話す

  3. ネタの豊富さ;聞き手に最もふさわしいテーマや具体的なエピソード

  4. 身体性(聞き手に対する声の張り、トーン、身体全体の動き)

大勢の人を前に話すとしても、常に聞き手と対話する気持ちで、双方向の空気を作る

そうすることで、聞き手に言いたいことが伝わる

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